痛みの消しかた
寮を追い出されてから数日は、軽井沢の山でさみしく過ごしました。
季節は春といえど、夜は寒い。
追い出される前に言われた
『クズだな』
が頭の中でグルグル、グサグサ。
あー俺は死んだほうがいいんだ。
消えて楽になりたい。
そう考えても死ねませんでした。
だって本当は、心の根っこでは生きたいんだから。
風前の灯火っていう言葉があるけれど、ほんとうに風が当たるだけでビンタをされたような、そんな感じでした。
重力ってこんなに強かったっけ?
そんな中で、わざわざ富山から親友が迎えにきてくれたとき、本気で「あ、神様だ」と思いました。
彼はこの時も、これから先も僕の人生を救い続けてくれる存在でした。
そのまま彼の富山の実家で一ヶ月ほど居候をさせてもらいました。
ランニングをしたり、酒を飲んだり、動物園にいったりするうちに鬱っぽい感情は消えさり、ふたたび働ける状態に回復しました。
カラダを動かす。これがどんなに精神的に良いことか。